平山 勝己

平山 勝己

教育事業部

新卒1期生として2011年入社。新規事業として教育事業の立ち上げから一貫して同事業に従事。

VS
陸 祥敏

陸 祥敏

教育事業部

オーストラリアの大学院を卒業し来日。国際ビジネス・マーケティングの知識、また中国語・英語のコミュニケーションスキルが活かせる事業を志し、2021年3月に入社。

インタビュアー:

教育事業部ではどんなお仕事をされていますか?

陸:

主に4つの独自事業を推進しています。
「日本留学指南」という日本留学のための海外向けメディアの運営、「日本大学連合学力試験(JPUE)」という日本留学のための海外での共通試験の運営、
また日本語教育のカリキュラムや教材・測定試験の開発、そして日本の大学内で日本語コースの運営などです。

インタビュアー:

お二人の業務内容を教えてください。

平山:

陸さんはまだ社会人1年生ですが、いきなり沢山の実務をやってますよねえ
僕の場合は、それら一つ一つ立ち上げから携わってきたので身に染みていますが、いまの4つを聞いて、ピンときますか?

インタビュアー:

えっと・・・ちょっと簡単に説明してもらえますか?

陸:

詳しくは各事業のサイトなどを見てもらえると有難いのですが、
1つ目の日本留学指南というメディア事業では、海外の学生に向けて、日本の魅力紹介から、留学に関するHow to(ハウツー)、日本の全大学の紹介、そして日本での就職まで、日本留学に関するあらゆる情報を公平・客観的に網羅し、書籍とWEBで発信しています。これさえあれば、日本留学の全てがわかる!というような。次に2つ目のJPUEという海外での共通試験ですが、これまでの日本留学の試験や大学入試の仕組みを改革することにより、留学生の受け入れを拡大・促進できるだろうと始めたもので、各国地域で実施しています。実は、海外から日本の大学に直接入学するというのは、制度的になかなか難しいんです。そのため、ほとんどの場合、まずは来日して日本語学校に入り、1-2年学習してから、大学受験することになってしまいます。ここでかかる時間や費用、そして最終的に合格できるかを懸念して、日本留学を諦めてしまうケースは多いと聞きます。
そこでJPUEは、主に現地の高校3年生を対象として、日本語ができなくても受験可能で、そして先に一次合格が出る、日本語学習はそのあとスタートし、最終試験に合格すれば、直接大学に入学できる――ここまで現地にいながら約半年で完結するという画期的な仕組みなんです。

平山:

それまで日本語を学んでいない学生でも、まずは受験することで、新たに日本留学という進路が開ける、というわけです。2014年から始動して、今は6か国地域で実施していますが、これまでの受験者数は延べ4000人を超え、利用大学も累計60校近くなりました。
最近ようやく現地の高校界隈で認知されてきたのか、特に学校単位で受験したいという問い合わせも増えてきました。また日本もここ数年で入試や授業のオンライン化が普及していますが、これが追い風となり、JPUE利用大学は増加傾向にあります。微力ながら大学の国際化にも貢献できていると感じています。

インタビュアー:

日本の大学に利用してもらう試験となると、調整が色々と大変そうですね。

平山:

はい、大学のアドミッションポリシーから教職員含めた合意をどう実現していくかという次元なので、ここは根気強く丁寧にすり合わせていくわけですが、海外市場の動向や制度を知ってもらう必要もあるので、大学関係者を対象にシンポジウムや勉強会を何度もやってきました。

陸:

そして、3つ目の日本語教育については色々あるのですが、例えばJPUEでの日本語教育では、0から始めて数か月後には上級日本語能力のスコアと、志望大学との日本語面接をクリアする必要があるので、独自のメソッドやテキストを各国地域に展開して実施しています。またこのノウハウをベースに、日本の大学内で1-2年の日本語コースを受け持ったり、就労向けのビジネス日本語を支援したりしています。

インタビュアー:

そんな短期間で日本語ができるようになるものですか?!

平山:

大事にしているのは、現実の色々な場面で実際に対応しきれる力です。読めるだけとか聞けるだけとか机上の処理能力だけでなく、話すも書くも含めた4技能の運用力を、はじめから育てていこうというアプローチです。また、語彙や文型などのインプットは家でやってきてもらい、教室ではそれをどんどん使おうと、短期間でもそういう効率化により実現しています。

インタビュアー:

確かに、私の英語も筆記試験ならそこそこですが、実際に話したり書いたりとなると・・・

平山:

今までの日本人の英語もその傾向がありますね。ただTOEFLやIELTSなど英語試験では4技能が当たり前なのに、日本語試験にはそれがなかった、ここも改革が必要だということで、日本語4技能試験の企画や開発に進んできた流れがあります。

インタビュアー:

独自の事業をどんどん展開していることがわかりました。そんな中で、一番の思い出などありますか?

陸:

私の場合はまだ多くはないですが、色んな海外の学生とコミュニケーションをとって、その学生が自分を頼ってくれて、そして実際に大学に合格し、在留資格やビザも無事下りて、ついに留学が実現した時は、親御さんにも感謝され、とても嬉しかったです。むしろそこでやっと、自分のやってることが実感できました!

平山:

そうですね、確かにひとつひとつ形になるまで長くかかるものが多いです。
例えばJPUEの筆記や面接試験では、会場に何百人という受験者が集まり、日本側の大学も含めて、現場とオンラインを同時に運営するようなシーンがありますが、数人のスタッフでも無事まわせたときは、やはり達成感はあります。しかしこれは小さな通過点でしかなく、そこから日本語学習が始まり、最終試験があり、合格を得てはじめて留学に至るわけですが、もっというと彼らが無事大学を卒業して、その先の将来に繋がるまでならないと、これら事業の根本の意義はありません。初めてJPUEで留学した学生が4年後、無事就職できましたとか、研究が評価され大学院に進んだとか、みんな報告に来てくれたときは、ちょっと親心というのか、泣けましたね。

インタビュアー:

教育分野だけあって、人の人生にかかわる部分も大きいわけですね。
今後はどうしていきたいですか?

陸:

もう少し選択と集中をしていきたいです。今安定している部分を、これからも着実に推進すること、それをもとに、新たなフィールドや改革へと繋げていきたいと思います。

平山:

そうですね、これまでは、ある種スタートアップの感覚もあったので、みんながむしゃらにやってきましたが、これからも健全に続けていくためには、まず我々スタッフがどうあるべきか、働き方から一つ一つの業務をどうまわしていくか、当然の基本でしょうけど、改めて見直して、よりよくしていきたいと思っています。

インタビュアー:

では最後に、この仕事に向いてる人や、どういう成長が期待できるかなど、教えてください。

陸:

基礎力が高い人、オールマイティーな人がきてくれたら助かります(笑
大きいことから細かいことまでマルチタスクが多いので、考える力や器用に効率よくこなす力が、かなりレベルアップすると思います!

平山:

決まったことだけを安定してこなしたいという人は正直合わないと思います。
やりたいことがあり、その実現のためにどうすればいいか、常に当事者として推進していける純粋な意志や思考があれば、また新たな事業を立ち上げることもできるでしょうし、あるいはそういった環境で経験を積むこともできると思います。